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不動産・相続の現実

実家を相続した後に直面する「空き家管理」の本当の大変さとは?

相続や住み替えなどをきっかけに、持ち主がいない状態になってしまう「空き家」。特に遠方に住んでいる場合、「とりあえずそのままにしておこう」と放置してしまいがちです。

しかし、人が住まなくなった家は驚くほどのスピードで劣化していきます。適切な状態をキープするための「維持管理」は、体力・時間・コストのすべてにおいて想像以上の重荷となります。今回は、空き家管理の具体的な負担と、放置することで発生する深刻なペナルティについて正確に解説します。

空き家を適切に管理する際の手間とコスト

「誰も住んでいないから汚れない」というのは大きな間違いです。家を維持するためには、定期的に現地へ足を運び、以下の作業を行う必要があります。

[定期的(最低月1回)な巡回と通風・通水]

家を閉め切ったままにすると湿気がこもり、カビが発生して柱や床が急激に腐食します。窓を全開にして空気を入れ替え、すべての蛇口から水を流して配管のサビや悪臭(下水の臭気流入)を防ぐ作業が必要です。これを真夏や真冬に、遠方の実家まで往復して行うだけでも多大な体力を消耗します。

[庭木・雑草の管理とゴミの処分]

春から夏にかけての雑草の成長スピードは凄まじく、少し放置するだけで隣の敷地や道路に枝葉がはみ出してしまいます。また、荒れた庭は不法投棄のターゲットになりやすく、害虫・害獣(ネズミやハチなど)の温床となって近隣住民からの苦情を招きます。

[使い道がなくてもかかり続ける固定費]

誰も住んでいなくても、毎年の固定資産税や都市計画税は必ずかかります。また、電気や水道を解約してしまうと管理作業(掃除機をかける、通水するなど)ができないため、基本料金を支払い続けなければなりません。さらに、万が一の災害に備えた火災保険や、倒壊・破損に備える保険料の負担も重くのしかかります。


管理を怠った空き家に下される「国からのペナルティ」

「大変だから」といって放置を続けることは、現在、法律で厳しく制限されています(空家等対策の推進に関する特別措置法)。

「管理不全空家」または「特定空家」への指定

窓ガラスが割れている、壁が剥がれかけている、雑草がひどいといった状態のまま自治体の勧告に従わないでいると、「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定されます。指定を受けると、これまで敷地に適用されていた土地の固定資産税の優遇措置(最大6分の1に減額される特例)が解除され、税金が実質一気に跳ね上がる(元に戻る)ことになります。

損害賠償責任のリスク

台風や地震の際、老朽化した瓦や壁が崩れて通行人にケガをさせたり、隣の家を傷つけたりした場合、すべての賠償責任は「所有者(子供世代)」が負うことになります。空き家の事故は数千万円単位の損害賠償に発展する事例もあり、無視できない最大のリスクです。


空き家問題を先送りしないために

▼ 負担が膨らみやすい対応

・「いつか売ればいい」と、遠方の家をとりあえず数年間放置する
・自分でたまに行って掃除をすれば足りると思い込む

▼ 現実的な解決策

・月々数千円〜で巡回代行をしてくれる「空き家管理サービス」に外注する
・賃貸に出す、もしくは現状のまま早期に「現状有姿(そのまま)」で売却・処分を検討する

実家の空き家管理は、時間が経てば経つほど建物の価値が下がり、手放す際の選択肢が狭まっていきます。「自分たちが現地に行ってやる」という負担を払い続ける前に、代行サービスの利用や早期の売却など、現実的な処理のロードマップを早く決めることが、自身の資産と大切な時間を守ることに繋がります。

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