Part3:特定のニーズに応える施設・住まい
高齢者施設の種類と違い:グループホーム・ケアハウス等の特徴
高齢者施設の種類と違いを学ぶシリーズの完結編。公的施設(Part1)、民間施設(Part2)に続き、今回は特定の症状や、経済的・環境的な事情を持つ高齢者を対象とした「その他の住まい・施設」について解説します。
「認知症の専門ケアを受けさせたい」「身寄りがないけれど費用を抑えて住める場所を探している」といった具体的なニーズに応える代表的な3種類をまとめました。
1. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症の診断を受けた高齢者が、5人〜9人の少人数(ユニット)で共同生活を送る地域密着型の施設です。
[入居条件]
原則として要支援2以上で、医師から「認知症」の診断を受けており、かつ施設と同じ自治体に住民票があることが条件です。
[特徴と注意点]
家庭的な環境の中で、専門スタッフの支援を受けながら家事などを分担し、症状の進行を穏やかにすることを目指します。少人数制でアットホームな反面、医療的ケアが必要になった場合の対応力は施設ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
2. 軽費老人ホーム(ケアハウス)
身寄りがない、あるいは家庭環境や経済的な理由により、自宅で自立した生活を送ることが困難な高齢者が、比較的安価な料金で利用できる施設です。
[特徴]
食事の提供や見守りサービスが付いています。近年は自立した方を対象とする「一般型」だけでなく、介護が必要になっても外部の事業者や施設スタッフから介護を受けられる「介護型(特定施設)」の指定を受けたケアハウスも増えています。
[費用面]
本人の前年の「所得」に応じて国や自治体からの補助があり、月々の利用料が変動する仕組み(減免制度)が特徴です。
3. 養護老人ホーム
経済的な理由(生活保護受給者や低所得者など)や、環境上の理由によって自宅での生活が困難になった高齢者が入所する福祉施設です。
[仕組みと目的]
他の施設のように個人が自由に契約して入居することはできません。市役所や区役所などの自治体(福祉事務所)へ相談・申請し、必要性が認められた場合に「措置(そち)」として入所が決定します。基本的には介護を目的とした施設ではなく、「社会復帰」や「自立生活の支援」を行うための場所という位置づけです。
Part3施設の見分け方
▼ グループホーム
・主な条件:要支援2以上・認知症の診断
・最大の特徴:少人数でのアットホームな共同生活
▼ ケアハウス
・主な条件:家庭環境や経済的理由など
・最大の特徴:所得に応じた料金減免措置あり
▼ 養護老人ホーム
・主な条件:経済困窮など(自治体が判断)
・最大の特徴:行政による「措置」での入所
Part1からPart3まで、全9種類の主要な高齢者施設を紹介してきました。本人の心身の状態や、お住まいの地域、家計の予算に合わせて選択肢を正しく絞り込んでいくことが、後悔のない施設選びへの近道です。

