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若者世代の新たなリスク

40代だけの問題じゃない?20代・30代に急増する「じまい離職」のリアル

親の死や施設入所にともなう実家の片付け、山積する手続きの負担で仕事を辞めてしまう「じまい離職」。これまで管理職世代(40代〜50代)特有の課題とされてきましたが、近年、20代〜30代の若者の間でこのじまい離職が急増しています。

まだ社会人としてのキャリアを始めたばかりの若者が、突発的な親の不幸によって膨大なタスクを一人で抱え込み、就職したばかりの会社を去らざるを得なくなるケースが後を絶ちません。今回は、若者世代が直面しているじまい離職の残酷な現実とその背景を正確に解説します。

若者が「じまい離職」に追い込まれる3つの過酷な背景

中高年世代の離職とは異なり、若者ならではの家族構成や経済的な脆弱性が、トラブルをより深刻化させています。

1. ひとり親世帯の増加と「一人っ子問題」の直撃

相談できる「もう一人の親」が最初からおらず、さらにきょうだいがいない一人っ子の場合、20代の若者がたった一人で喪主を務め、実家一軒分の片付けや相続手続きのすべてを背負うことになります。頼れる親族も高齢化しているため助けを求められず、孤立無援のままタスクが爆発してしまうのが典型的なパターンです。

2. プロ(専門業者)を頼るための「資金力」がない

実家の片付けや平日の行政手続きは、お金さえ払えば遺品整理業者や司法書士などのプロに丸投げできます。しかし、20代〜30代前半の若者には数十万円〜数百万円かかる外注費用を捻出する貯蓄がありません。「お金がないから自分でやるしかない」と、毎週末に夜行バスで遠方の実家に通い詰め、平日は寝不足のまま出社する生活を続けた結果、心身が限界を迎えてしまいます。

3. 職場の理解不足と「ヤングケアラー」からの延長線

若い世代が多い職場ほど、周囲に「親の終活や死後の手続き」を経験した上司や同僚がいません。「若いのに大変だね」と言われるだけで、介護休業のような制度の適用や突発的な有給取得への配慮が受けにくく、職場に居づらくなって自ら退職を選んでしまうケースが目立ちます。学生時代から親を支えてきたヤングケアラーが、就職直後の死後事務で力尽きるリスクも潜んでいます。


若いキャリアを守るための現実的な防衛策

スタートラインに立ったばかりのキャリアを終活のために手放すのは、あまりにも大きな損失です。若者だからこそ、以下の防衛の形を徹底してください。

・親の「資産の全貌」だけは今から把握しておく

もしもの時、業者を呼ぶお金をあなたのポケットマネーから出す必要はありません。すべて「親の遺産(預貯金)」から支払うのが正解です。そのためにも、親が元気なうちに「通帳はどこにあるか」「もしもの時の片付け費用は親の口座から出していいか」という同意と、情報の場所だけは必ず確認しておいてください。

・自治体の「無料相談」や公的サポートを使い倒す

高額な民間の法律事務所に頼めなくても、各市区町村の役所では週に数回、弁護士や司法書士による「無料法律相談」が開催されています。また、実家がある地域の「地域包括支援センター」や社会福祉協議会に相談することで、格安で利用できる地域のボランティアや、片付けの助成制度を紹介してもらえるケースがあります。「大人の窓口」を頼る知恵を持つことが大切です。


世代による「じまい離職」の性質の違い

▼ 40代・50代のじまい離職

・状況:役職の重さや責任から有給が取りにくく、業務上の両立に限界を迎える
・対策:一定の資金力があるため、プロの業者へ外注することで解決しやすい

▼ 20代・30代のじまい離職

・状況:相談相手が不在の「ひとり終活」になりやすく、ノウハウも資金もない
・対策:親の口座の事前確認、行政の無料窓口の活用など、コストを抑えた防衛が必須

若くして親を見送ることは、それだけで耐え難い精神的ショックを伴います。その上で、家の処分や法律手続きという「大人の難題」が一度に降ってくるのですから、一人で抱えきれなくなるのは当然です。会社を辞める前に、まずは上司や人事へ「実はひとり親の死後手続きをすべて一人で処理しなければならなくなった」と本音をオープンにしてください。若者の離職を防ぐためには、周囲の大人や会社の制度を「おとりすますことなく甘えて使う」という割り切りが、未来の自分を守るための最大の境界線になります。

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